ドミトリーの建設支援

  • タイ北部チェンマイ県の山岳地帯では貧困と遠隔地のため、学校に行きたくても行くことのできない子どもたちがたくさんいます。現在までに学校の敷地内に21棟のドミトリーを建設し、毎年600名以上の子どもたちの通学が可能となっています。
  • 山岳民族の子ども達は、夢が叶うことがないと言われてきました。しかし、ドミトリーに入ることにより高校、大学への進学も可能となってきました。「先生になり、村の子ども達に勉強を教えたい。」「自分が学んだ技術を村に帰って貢献したい」など夢に向かって一生懸命勉強している彼らを応援し続けたいと思います。
  • 小学校、中学校のドミトリーの生徒は、自分の村から20km以上離れており、月曜日の朝に学校に来て、金曜日の午後に自宅に帰っています。雨季には通学が不可能となるため、ドミトリーで生活して、学んでいます。
  • 高校のドミトリーに入っている生徒は、100Km以上離れている生徒がほとんどで、中にはメーホンソン県の自宅から200Km以上離れたていることから、家に帰るのは4月と10月の年2回のみと話してくれました。彼等は勉強し大学への進学という夢を持っており、土曜日、日曜日もドミトリーで勉強に励んでいます。

山岳民族について

  • 山岳民族とは、タイ北部の山岳地帯に住むモン族、カレン族等の少数民族のことで、各民族固有の言語、習慣、服装、信仰を持っています。立地条件の厳しさから教育が受けづらく、また、自給自足の生活をおくっています。
  • 学校に宿泊してカレン族、モン族、ラフ族、リス族の子ども達との交流や山岳民族の村を訪れ、村人やリーダーから様々な話を伺うなどの貴重な体験を通し理解を深めています。
支援以前のドミトリーの様子

学校を訪問して、旧いドミトリーを視察して驚きました。 

  • ある小学校ではコンクリートの上に茣蓙を敷いただけで毛布にくるまって寝ている子ども達、 
  • また、傾斜地に高床式に建てられて、今にも壊れそうな木造の建物は、中は窓がなく薄い布で雨除けをしていたり、軒下が空いていて外から光が入ってくるなど、とても酷いものでした。
  • 雨季には雨が入るし、山岳地帯で高地にあるため夜間は冷えますが、ただ我慢するしかないような状況でした。

建設支援したドミトリーの状況

支援後のドミトリーの様子

スカラシップ支援

  • タイ山岳民族の子ども達の中には、優秀で勉強を続けたいとの希望がありながら、家の貧困、親がいないなどの理由で学校を辞めざるを得ない子ども達がいます。ハーモニーでは、2006年9月より現地の教育関係者と連携をとり、このような子ども達に奨学金を支給し、学業を続けていけるよう支援をしています。
  • 毎年支援者が増え、2020年には42名の生徒に年間1万円のスカラシップを支援しています。サポーターには年2回の手紙や報告が届きます。
  • 山岳民族の子ども達は、勉強して将来、村のために頑張りたいと夢を持っています。その希望が実現できるよう、今後も更に支援の輪を広げていきたいと考えています。
  • スカラシップ支援を開始して15年が経過し、卒業生の中には地元の学校で教師になっている生徒、また、看護学校を卒業して看護師として働いている生徒も多数おります。その内の数名を紹介したいと思います。

『スカラシップ支援の様子』

『ナピンさん(ラフ族の生徒です)』

『ブッパさん(モン族の生徒です)』

ポーワさん(先生になってモン族の生徒を教えています)』

『ワニパさん(夢をかなえて看護師として働いています)』

ランチプロジェクト

  • 現地の学校では、給食の食材の確保、子どもたちの栄養不足などの問題を改善する為に、学校独自でカエルやナマズの飼育、野菜、マッシュルームの栽培などを行っていますが、資金不足の為思うように出来ないのが現状です。
  • このため、タイの学校、子どもたちにとって緊急かつ必要性の高いランチプロジェクトに対し、直接現場の要望を受け、きめ細かな支援をすることが重要であると考え、2004年からナマズ、カエル、コオロギ等各種プロジェクトの支援を行っています。

『カエルを養殖して、給食の食材や販売しています』

『ナマズの養殖(数ヶ月で成魚になります)』

『コオロギの飼育(食料として飼育しています)』

『豚は多くの学校で飼育されています』

『無農薬野菜の栽培』

フェアトレード支援

  • 少数山岳民族の村では、農業を中心に自給自足の生活ですが、奥地に行くほど立地条件が悪く、かなり貧しい生活をしています。その為家計を支える為に伝統的な織物を作品に仕上げて販売しています。   
  • しかし、奥地では観光客はもとより、市場の情報さえないのが実情です。そこで、ネットワークハーモニーでは、2007年から少数山岳民族の自立促進を図る一助になればとの考えから、生徒や婦人達に伝統的な織物による製品を注文し、購入するフェアトレードプロジェクトを行っています。
  • 特にドミトリーに入っているモン族の生徒には、素晴らしい刺繍で作られるキーホルダー、カードケース、バッグチャーム、ペンダント、テーブルクロスなどの作品をお願いしています。
  • 購入した金額は、直接生徒に支払われ、キ-ホルダー3個の代金、ペンダント2個の代金は、生徒の一週間分の食費に相当しますというお話を伺っています。

飲料用浄水設備の支援

  • ハーモニーのベースとなっているバンガード校から、ドミトリーで生活している生徒を含め700名の生徒及び教職員のために、支援を要望された飲料用浄水設備の支援を実施しました。
  • この地域は地下水に重金属が含まれているため、生徒は、貯めた雨水又は飲料水を購入して学校生活をおくっています。校内に浄水設備を設置することにより、生徒の生活環境の改善、経済的な負担軽減を図っていくことが出来ます。
  • 浄水設備は立派に完成しており、盛大なセレモニーが行われました。モン族、カレン族、タイヤイ族等の生徒の歓迎の踊り、その後テープカットが行われました。
  • 今回支援した設備は一日4000リットルの供給能力を有しており、更に驚くことに冷たい水が出てきます。早速ドミトリーの生徒が水を汲んでいきました。
  • これからの夏期、蒸し暑い雨季に、充分役割を果たしてくれるでしょう。

『冷たい水が自由に飲めるようになりました』